この桜舞う 夜明けに たなびく春の雲や
闇の 中に 詠われる 夏の蛍の夜よ
はるかな 記憶 その中に消えた欠片

奏でよ 常世の子守唄
芽吹く魂玉の 息吹へ
はやす 陽の陰の中で
ほてる魂心に 捧ぐ詩

眠り近しき 赤く 染まりたる 西の陽光
明けの中 その身 縛る 銀輝

紡ぐは 悲しき 別れ歌
失われた 歌物語
現の 霊よ 寂しさに
詠いたまいし 黄泉路歌

春の下 夏の夜に
金色に染まる降魔刻
雪のつとめて 悠久の
流るる記憶の彼のもとへ

響かせ我ら幽霊楽団
なんのため そうたがために
有りしも無きに 忘却の
ささげまするは 愛の歌

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